数学教員の一人議論

とある数学教員が頭の中の一人議論を形にします。

判別式を使わずに2次方程式の解の種類を判定したらこうなった

今日は下の問題の解法について考えます。

2次方程式x^2+(2k-1)x+k^2-3k-1=0虚数解をもつように,定数kの値の範囲を求めよ。

普通は「二次方程式虚数解を持つ\Leftrightarrow判別式D<0」

を用いて(2k-1)^2-4(k^2-3k-1)<0を解きますが、判別式を知らなければこうは考えないと思います。

解法として思いつきやすいのは

x=a+bi (a,bは実数でb\neq0)を代入して、左辺の実部も虚部も0になるa,bが存在するkの値の範囲を求める

ではないでしょうか。

 

早速やってみましょう。

x=a+biを左辺に代入すると

(a+bi)^2+(2k-1)(a+bi)+k^2-3k-1=0

これを計算して実部と虚部に分けると

\left\{a^2-b^2+a(2k-1)+k^2-3k-1\right\}+b\left\{2a+(2k-1)\right\}i=0

実部と虚部が0になるから

a^2-b^2+a(2k-1)+k^2-3k-1=0

b\left\{2a+(2k-1)\right\}=0

ここでb\left\{2a+(2k-1)\right\}=0b\neq 0より

a=-\dfrac{2k-1}{2}

これをa^2-b^2+a(2k-1)+k^2-3k-1=0に代入して

\left(-\dfrac{2k-1}{2}\right)^2-b^2-\dfrac{2k-1}{2}\cdot(2k-1)+k^2-3k-1=0

これを整理して

b^2=\dfrac{4(k^2-3k-1)-(2k-1)^2}{4}

bは実数だから\dfrac{4(k^2-3k-1)-(2k-1)^2}{4}>0つまり

(2k-1)^2-4(k^2-3k-1)<0であればbは存在することが分かりました!

 

と、ここまで来たわけですが

この(2k-1)^2-4(k^2-3k-1)<0は判別式D<0そのものになっていますね。

判別式D<0でなぜ解の種類を判定できるのかを証明しただけになってしまったようです笑

無駄なことをしましたが、考えるのが楽しかったので何より。

もしかしてこの方法を3次以上の方程式に対して行うと3次以上の方程式の判別式が求まったりするのでしょうかね。

疲れたので調べませんが!笑

ご一読ありがとうございました。