数学教員の一人議論

とある数学教員が頭の中の一人議論を形にします。

2x+|x+1|+|x-1|=6を場合分けせずに解いてみるとこうなる

こんにちは。

みなさんは場合分けがある問題は好きですか?

僕はあまり好きではありません。

場合によって考えが変わるような統一感がないものを見るとモヤッとするからです。

統一感がある解法の方がキレイだと感じるのです。

 

そこで今日は絶対値を含む方程式

2x+|x+1|+|x-1|=6

を場合分けをせずに解いていきます。

絶対値を見ると場合分けを使うことを連想すると思いますが、場合分けをせずとも絶対値を外す方法があります。それは

絶対値つきの式を2乗するのです。

早速やってみましょう。

 

\begin{align}2x+|x+1|+|x-1|&=6\\|x+1|+|x-1|&=6-2x\end{align}

両辺を2乗して

(x+1)^2+2|(x+1)(x-1)|+(x-1)^2=36-24x+4x^2

これを整理して

|x^2-1|=x^2-12x+17

両辺を2乗して

x^4-2x^2+1=x^4+144x^2+289-24x^3-408x+34x^2

これを整理して

2x^3-15x^2+19x-24=0

因数分解すると

(2x-3)(x-2)(x-4)=0

x=\dfrac{3}{2},2,4

 

よって「x=\dfrac{3}{2},2,4が解である」と言いたいところですが、これは2x+|x+1|+|x-1|=6

であるための必要条件でしかありません。

x=\dfrac{3}{2},2,4のうち、2x+|x+1|+|x-1|に代入して6になるのは\dfrac{3}{2}だけなので、解はx=\dfrac{3}{2}になります。

 

というわけで、場合分けをせずに絶対値つきの方程式を解いてみましたが

かなり計算量があって面倒ですね

3次方程式を解かなければならないし、解いてもその解は必要条件でしかないので、十分性を確認しなければいけません。

黙って場合分けするのが一番賢いのかもしれませんね。

 

以上です。ご一読ありがとうございました。