数学教員の一人議論

とある数学教員が頭の中の一人議論を形にします。

2重根号を外すのってそんなに甘くなかった

 

画像引用元 https://qiita.com/yuya-mathtora/items/477088dd4b40906b0fbd

こんにちは。

 

みなさんは高校で習ったこの問題を覚えていますか?

 

\sqrt{4+\sqrt{15}}の二重根号を外しなさい。

 

大人になっても数学を使っている人は少ないので、ほとんどの人はやり方を忘れていますよね。

学校ではこんな手順で教えてもらったのではないでしょうか。

①√の係数を無理矢理2にする。

\dfrac{\sqrt{8+2\sqrt{15}}}{\sqrt2}

②かけて15、たして8になる正の数の組み合わせを考える。

\dfrac{\sqrt{5+3+2\sqrt{5\times 3}}}{\sqrt2}

③二重根号の部分はその2つの数にそれぞれ√をつけたものの和になる。

\dfrac{\sqrt3+\sqrt5}{\sqrt2}

=\dfrac{\sqrt6+\sqrt{10}}{2}

 

覚えた方が答えを求めるのは速くなるでしょうが、長く覚えておくのは難しいです。

だったら次のようにしてはどうかと考えてみました。

 

\sqrt{4+\sqrt{15}}=\sqrt a+\sqrt bとおいてa,bを求める。

これなら覚えることは二重根号を外すと\sqrt a +\sqrt bの形になるということだけです。

では、実際にa,bを求めてみましょう。

\sqrt{4+\sqrt{15}}=\sqrt a+\sqrt b

両辺を2乗して

4+\sqrt{15}=a+2\sqrt{ab}+b

4+\sqrt{15}=a+\sqrt{4ab}+b

ここからa+b=4 , 4ab=15が分かる。

 

でもこっからa,bを求めるのに結構な量の計算がいることに気づいた。

とりあえず、求めてみよう。

a+b=4,ab=\dfrac{15}{4}

解と係数の関係からa,b二次方程式

4t^2-16t+15=0の解である。

(2t-5)(2t-3)=0よりt=\dfrac32,\dfrac52

よって

\sqrt a +\sqrt b=\sqrt{\dfrac32}+\sqrt{\dfrac52}

=\dfrac{\sqrt6+\sqrt10}{2}

 

というわけで答えは出たが、計算が大変になった。

結構いい解法だと思ったけど、そんなに甘くはなかった笑

 

まぁ考えるのは楽しかったからそれでいいか。

以上です。ご一読ありがとうございました。