数学教員の一人議論

とある数学教員が頭の中の一人議論を形にします。

「方程式7x-5=3を解きなさい」の難しさ

「方程式7x-5=3を解きなさい」ができない子がとても多い。

こんな簡単な問題があまりにもできていないので、初学者にとっては難しいのかもしれない。

子どもたちがどこでつまづくのかを把握するために、この問題を解くうえで理解しておかなければならないことを細かいことまで全て洗い出してみたい。

 

①「方程式を解きなさい」の意味が分かる必要がある。

「方程式を解く」とは「方程式の解を全て求めること」。

そして「方程式の解」とは「等式を満たすような文字の値のこと」。

「等式を満たす」とは「左辺と右辺が同じ値になること」。

「方程式」とは「まだ分からない文字を含む等式のこと」。

というように、問題の意味を把握するだけで、たくさんの言葉の意味を知らなければならない。

子どもたちにとってはこの時点でハードルが高いのかもしれない。

 

② 7xの7とxの間には掛け算がある。

×は省略するという文字式の表し方も確実に覚える必要がある。

「こんなの簡単でしょ」と思うかもしれないが、「7x-5のxと-の間には足し算が省略されていると捉えることができる」ことも教えているので、何算が省略されているのかがごっちゃになっている生徒もいるだろう。

 

③移項を覚える。

そもそも7x-5を項で分けて、7xと-5と見えていない生徒も多い。7xから5が引かれていると見えていたら、移行するという感覚を持つのも難しい。

しかも、「文字式は左辺に、数字は右辺に持っていく」ということも頭に入れなければならない。

これに頭を使っていると、移項するときは符号を変えなければならないことも抜けてしまう。

 

④7x=8を解かなければならない。

移項までできても7x=8を解かなければならない。

両辺を7で割ればいいのだが、そもそも7x÷7ができないし、8÷7なんて割り切れないので、お手上げだろう。

「こちらとしては\frac{8}{7}とするだけで、計算なんていらないから簡単」と思うが、子どもたちは\frac{8}{7}がどんな値かもよく分かっていないので、答えに違和感を感じるのだろう。

 

こう考えると、方程式7x-5=3を解くって子どもたちにとってかなりハードルが高いのかな。

中学校のときに分かりやすく教えてくれた先生には感謝しかない。

 

以上です。ご一読ありがとうございました。