数学教員の一人議論

とある数学教員が頭の中の一人議論を形にします。

数学検定準1級の問題を解くときの頭の中を全部書いてみた

私は10月29日に行われる数学検定準1級に向けて1日1問数学の問題を解いている。

今日の問題は

「実数x,yが2つの不等式y\geqq \frac{1}{2}x, y\leqq -x^2+3x-\frac14を満たすとき

 \dfrac{x^2}{2x^2-2xy+y^2}

のとりうる値の最大値,最小値を求めなさい。」

である。

今からこの問題を解くのだが、解くために考えたことを全て書き連ねていく。

問題を解く際に必要なかったことも全て書いていく。

 

まず、真っ先に思うのは「条件の2つの不等式が示す範囲を目で見たい!」である。

 

2つの連立不等式の範囲

描いてみたけど何も分からないので、次は

\dfrac{x^2}{2x^2-2xy+y^2}

に注目してみた。

これの最大値・最小値を求めようと思っても変数がx,yと2つあるので困った。

とりあえず変形してみようかな。

「分母がx^2-2xy+y^2だったら(x-y)^2と綺麗にまとまるのになー。と思ったけどx^2が一つ多い。どうしよう。」

「なんか分母と分子の次数がどちらも2なのが怪しいのでx^2で分母・分子割ってみるか。」

そしたら

\dfrac{1}{2-2\frac{y}{x}+(\frac{y}{x})^2}

「あ、\frac{y}{x}=zとおいたら変数はzだけになった。いけそう」

「でもzが動く範囲が分からんな。とりあえず 2-2z+z^2の最大値・最小値を求めよう。」

2-2z+z^2=(z-1)^2+1

だからz=1のとき最小値1をとるな。

でも \frac{y}{x}=1になるx,yはあるのかな?

条件の図を見ると(x,y)=(1,1)があるから大丈夫か。

といういことは

\dfrac{1}{2-2\frac{y}{x}+(\frac{y}{x})^2}の最大値は1だな。

 

そういえばさっき、気軽にx^2で分母分子割ったけど、図を見ればx\neq 0だからできたことだったんだな。

「文字で割るときは0ではないことを確かめろよ」

って生徒にいつも言っているのに、俺も気づいていないな(笑)

 

次は2-2z+z^2=(z-1)^2+1が最大になるときを考えるか。

これは|z-1|が最大になるときと同じだな。

|z-1|=k (kは正の実数)とすると

\dfrac{y}{x}-1=\pm k

y=(1\pm k)x

だな。

これを図に書き加えよう。

 

 

この図からkが一番大きいときはy=(1+k)x y=-x^2+3x-1/4が接するときになる。

y=(1+k)xとy=-x^2+3x-1/4]の連立方程式が重解をもつkの値を考えると、k=1,3

条件の領域で接するのはk=1である。

ちなみにこのときのx,yは(x,y)=(\frac12,1)だ。

だから

\dfrac{1}{2-2\frac{y}{x}+(\frac{y}{x})^2}

の最小値は[tex:\frac{1}{1^2+1}=\frac1/2}である。

 

まとめると

「実数x,yが2つの不等式y\geqq \frac{1}{2}x, y\leqq -x^2+3x-\frac14を満たすとき

\dfrac{x^2}{2x^2-2xy+y^2}

の最大値は1,最小値は\frac{1}{2}だ!

 

答え合わせをしよう。間違っていたら萎える(笑)

 

答えは…

合ってた!嬉しい!

でもやっぱり解説の方が無駄がないな。

答えが合うだけでなくもっと無駄のない記述をしたいですね。

 

以上です。ご一読ありがとうございました。