数学教員の一人議論

とある数学教員が頭の中の一人議論を形にします。

子どもが分かりやすい分母の有理化の方法とは?

\dfrac{6}{\sqrt2}を例にして、分母の有理化する方法について考えたい。

 

最も一般的なのは分母分子に\sqrt2をかけて

\dfrac{6×\sqrt2}{\sqrt2×\sqrt2}=\dfrac{6\sqrt2}{2}=3\sqrt2

とする方法だろう。この方法はどんな問題でも形式的な計算で有理化できるという点でとても優れている方法である。

しかし、これは子どもたちからすれば発想として難しいのかもしれない。

実は今日の授業で次のように有理化する生徒がいた。

\dfrac{6}{\sqrt2}=\dfrac{3\sqrt2×\sqrt2}{\sqrt2}=3\sqrt2

これは分子に\sqrt2がないから約分できないので無理矢理つくればよいという発想だ。その生徒にしたら、こちらの方が自然な発想というわけだ。形式的に分母分子に\sqrt2をかけ続けてきた私も「本当にそれが一番いい方法か」と疑う必要があると感じた。

 

他にもこんな有理化の方法もある。

\dfrac{6}{\sqrt2}=6÷\sqrt2 

これは割り算の定義に言い換えると

\sqrt2に何をかけたら6になりますか?となるので、答えは3\sqrt2

 

他には次のような方法もある(√の定義に立ち戻るので個人的に好み)

\dfrac{6}{\sqrt2}を二乗すると\dfrac{36}{2}=18

つまり\dfrac{6}{\sqrt2}は2乗して18になる正の数である。よって

\dfrac{6}{\sqrt2}=\sqrt{18}=3\sqrt2

まぁかなり回りくどく感じるが。

 

このように有理化にも色々な方法があり、どれが発想として思いつきやすいかは人それぞれである。だから、まずは自分が思いつきやすい発想の方法で試行錯誤する経験を通して数学を好きにさせたい。なんだかしっくりこない方法で練習しててもつまらないと思うので。

そうやって練習しているうちに形式的な方法の良さもわかってくるのではないだろうか。