数学教員の一人議論

とある数学教員が頭の中の一人議論を形にします。

「x^2+4x+1=0を解け」の解説で本当は言いたいこと

二次方程式x^2+4x+1=0を解きなさい

 

今日はこの問題を解説するときの僕の気持ちを書きます。

 

無難に教えるなら、「解の公式に代入しましょう」になるでしょうか。

解の公式

解の公式を知っていると、どんなa,b,cであっても代入すれば解けるという安心感があります。

だから生徒は、x^2+4x+1=0を見た瞬間に解の公式で解こうとするでしょう。

 

しかし、x^2+4x+1=0のように、xの係数が偶数の場合は、解の公式を用いると、ミスをしやすい計算過程が必ず生まれます。

\begin{align}x&=\dfrac{-4\pm \sqrt{4^{2}-4\times 1\times 1}}{2}\tag{1}\\
&=\dfrac{-4\pm \sqrt{12}}{2}\tag{2}\\
&=\dfrac{-4\pm 2\sqrt{3}}{2}\tag{3}\\
&=-2\pm \sqrt{3}\tag{4}\end{align}

xの係数が偶数だと、(2)から(3)のように、2を√から出す変形が必ず生まれますし、(3)から(4)の約分も必ず生まれます。

特にこの(3)から(4)の約分は、分子の2つの項のうち、一つしか約分しない生徒が後を絶ちません。(x=-4\pm\sqrt{3}のような間違いをしてしまう)

だから、解の公式は便利なものの、xの係数が偶数の場合は特に、計算が面倒です。

 

そこで、本当は

\begin{align}x^{2}+4x+1&=0\tag{1}\\
\left( x+2\right) ^{2}-4+1&=0\tag{2}\\
\left( x+2\right) ^{2}&=3\\
x+2&=\pm \sqrt{3}\\
x&=-2\pm \sqrt{3}\end{align}

と解説したいのです。

この(1)から(2)は平方完成と呼ばれる式変形で、xの係数が偶数のときは、比較的に簡単です。

高校の二次関数の分野でよく使う変形ですが、中学校でも解の公式を習う前に学習しています。

ですが、解の公式を習ってしまうと、その汎用性の高さに、平方完成は陰に隠れてしまうのです。

 

平方完成で教えたいのですが、「xの係数が偶数の時は平方完成しよう」と言うと、せっかく解の公式でできるのに、混乱させてしまうかもしれません。

また、僕は平方完成になれていますが、生徒にとって、平方完成は難しい変形かもしれません。

だから、モヤモヤしながらも、結局は解の公式で教えています。

 

中学数学を教えている方は、これをどう教えていますか?

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