みなさんはこの図を見たことありますか。
速さ・道のり・時間の関係を覚えるための図ですね。
昨日生徒に
「次の授業はみはじの問題ですか?苦手なんですよね~」
と言われて
「やはり、みはじの図が消えるのはまだまだ先のことだろうな」
と思った。
私は
みはじの図が子どもたちに浸透しているのを見ると、数学教育者として悲しい気持ちになる。
「こんな図に頼らないと割合の問題を理解することができないのか。いや、そんなの割合を理解していることにならないし、これを先生達が容認しているのが何より恐ろしい」と。
たしかに割合の問題は、算数が苦手な子にとっては苦労するだろう。
だからといって、速さ・道のり・時間の関係を公式にしていては、すべての割合の問題で公式を覚えなくてはいけなくなる。
そして何より私が嫌なのは
「算数数学は公式を覚えて適用する学問」というイメージが植えつけられることだ。
小学校の先生には子どもたちに「自分の頭で考える」ことを習慣付させてほしい。
とはいっても、こんなこだわりを持つのは私の専門が数学だからかもしれない。
もし私が小学校に移動になって社会を教えることになったら、授業をこなすことに精一杯で、「とりあえずテストの点数を取らせればいいか」という思考になり、社会教育の本質など意識できないだろう。
それに、学校は「生徒を自立させること」が目的であって、「割合の概念を理解させること」はそのための手段でしかない。
だから、子どもに割合を理解させることにこだわりすぎて、
「分からなすぎて、授業がつまんない。何もかもやる気ない」
と自己肯定感の低下や無気力を招くとしたら、たしかに目的に沿った指導法とは言えないかもしれない。
以上です。ご一読ありがとうございました。