みなさんこんばんは。
私は中学校で数学教員をしています。
明日は数学の授業1発目です。
1発目の授業は教科開きと呼ばれていて、先生の数学の授業に対する期待と生徒の数学の授業に対する期待をすり合わせるためにとても重要です。
この教科開きで「なぜみんなは数学を学ぶのか」ということを語る必要があります。
しかし正直、「なぜみんなは数学を学ぶのか」に対して、自分で納得するような答えを持てていません。
そこで、今日は明日の教科開きで何を生徒に語るかを決めるために、「なぜ生徒が数学を学ぶのか」についてつらつらと書いていきます。
「僕自身はなぜ数学を学んできたか」なら答えられるんですよね。
とにかく楽しかったから。
論理的に物事を考えるのが好きだし、かっこいいと思っているんですよね。
社会の歴史で「ルター」という人名を覚えなきゃいけないけど、「なぜ名前がルターなのか」って理由がないじゃないですか。
そういう理由がないものをひたすら覚えるのって楽しくなかったんですよね。
それに比べて、数学は良い。
覚えなきゃいけないのは定義だけ。
「公式も覚えなきゃいけないじゃん!」って思われるかもしれませんが、公式は理由を考えて、導出できれば覚えなくていいです。
それにその「なぜその公式が成り立つのか?」と考えること自体が僕にとっては楽しかったのです。
「数学が世の中の役に立っている」という部分にもとても価値を感じていますが、「世の中に立っているから勉強する」って言うのは理屈がよく分からないんですよね。
「大人になって数学の知識を使う」というのもほとんどの人にとっては嘘になるでしょうね。
多くの人より数学に携わっている私でも「数学の知識が役に立った!」ということはあまりありません。
役に立ったとしても、小中高の合計12年間も費やす価値がある有用さではないと思っています。
前置きが長くなりましたが、本題です。
「なぜ生徒が数学を学ぶのか?」には何と答えればいいでしょうかね。
ぶっちゃけ
「国が数学を学ぶことを定めているから」が一番納得できると思うんです。
「数学を学ぶ理由として消極的だ」と思うかもしれませんが、じゃあもし数学を学ぶことを定められていなかったとしても、子どもたちは数学を学ぼうとするのでしょうか。
ほとんどの人の答えはNOでしょうね。
でも、僕は「国が定めているんだから黙って数学を学べ」なんて絶対言いたくないです。
僕は数学が好きですし、そんな嫌々数学を学ばれるのも心苦しい…
そこで、本音で子どもたちに話すとしたら
「国が数学を学ぶことを定めている以上、数学を学びたくないなら、数学を学ばなくていい国に行くしかない。でも、そんなことしたら食べていけなくなる。だから、日本にいるという選択を取る以上、数学を学ぶことは避けられない。じゃあ、どうせ数学を学ばなきゃいけないなら、自分が心から納得できる学ぶ理由を見つけた方が得だと思いませんか?」
別に学ぶ理由なんて何でもいいです。
「数学がパズルみたいで面白いから」
「数学している俺かっけーって思えるから」
「数学は苦手だけど、その苦手を克服したら自己肯定感が上がるから」
「数学の先生に認めてもらいたいから」…
僕なんて高校の時の数学を学ぶ理由は、楽しいからが30%。
70%は「数学ができるキャラ」を確立すれば、好きな子から「数学を教えて」って言ってもらえる可能性が高いからでした(笑)。
純粋にその学問に興味をもって勉強できたら一番いいんじゃないかと私は思います。
でも、人それぞれ生き方は違うし、自分の好きな考え方で勉強のモチベーションを保てばいいんじゃないかな。