「よく教員をAIにとって代えることはできない」というが、
私は授業に関してはAIにとって代わられた方がいいと思う。
これは授業の目標を何においているかによっても変わるだろうが、「学力を上げる」という目標においては、人間よりAIの方が向いていると思う。
そう考える理由を述べていきたい。
授業はAIが行った方がいいと思う理由
1.個々の特性にあった授業ができる
最近「授業の個別最適化」等というが、本当に個別最適化を目指すならAIに一人一人の考え方の特性を学習させて、それにあった考え方を一人一人に提案する方がいいだろう。
例えば、
方程式を解け
という問題に対しても
「に何を代入したら左辺が7になるか?」
と考えた方が分かりやすい人もいれば、
「まず、が何にならなければならないかを考えると12。よって」
と考えた方が分かりやすい人もいるし、
「マイナス5を右辺に移項して…」
と機械的に考える方が分かりやすい人もいるだろう。
どの考え方がその子に合うかを判別するのは数学教育学や認知科学に任せるとして、もしその判別の仕方が確立すれば、それをAIに教え込んで、一人一人に提案する方がいいだろう。
この技術が実現するのにどれくらいの月日が必要かは分からないが、将来的にはそうなるのが望ましい。
2.再現性がある
もし私が必死に努力して日本一授業が上手な教員になったとしよう。
しかし、そのレベルの高い授業を受けられるのは私が担当しているクラスだけだ。
さらに、私の体調が悪い等で、毎日レベルの高い授業ができるかも分からない。
もし、このレベルの高い授業のノウハウを全てAIに教えることができれば、そのレベルの高い授業をもっと多くの生徒に対して、いつでも再現することができる。
最後に
よく「生徒の反応に応じて対応を変えることは人間にしかできない」と言われるが、それは単純に技術が追い付いていないだけではないだろうか。
例えば、子どもがいつもより授業にのってきていないから発問を変えたりするときも、脳の中で「授業に乗ってきていないと判断する基準」「発問を選ぶ基準」などは意識しているかどうかは別としてすべての人間にあるはずだ。
それを明確にして、プログラムすればAIにも同じような対応は可能であろう。
「人間の温かみが感じられない」という理由でAIを導入しないとしたら、非常にもったいないと思う。