数学教員の一人議論

とある数学教員が頭の中の一人議論を形にします。

x^2-9の因数分解ができない方へ

 

みなさんこんにちは。

 

今日、3年生の授業に入ったのですが、

x^2-y^2=(x+y)(x-y)因数分解ができない生徒がクラスに5人くらいいて

この受験前にこんなに重要な因数分解もできないのか。

なぜこの公式が定着しないんだ…

と不思議に思いました。

でも

x^2+(a+b)x+ab=(x+a)(x+b)

因数分解公式は全員が定着しているんです。

出題される頻度が高いからですかね。

 

そこで僕は思いました。

x^2+(a+b)x+ab=(x+a)(x+b)

は定着しているのに

x^2-y^2=(x+y)(x-y)

ができないのなら

x^2-y^2x^2+(a+b)x+ab=(x+a)(x+b)の公式で因数分解すればいいのではないか。

 

これだけだと意味が分かりませんね。

具体例で説明します。

例えば

x^2+2x-3=(x-1)(x+3)

因数分解はできるのに

x^2-9因数分解ができないとします。

なぜできないのかというと、真ん中のxの項がないからですよね。

ならば

無理矢理真ん中のxの項を作ればいいのです。

x^2-9=x^2+0\cdot x-9

こうすればかけて-9,たして0になる2数の組み合わせを考えればいいですね。

その2数は3と-3です。

だから

x^2-9=x^2+0\cdot x-9=(x+3)(x-3)

因数分解できるわけです。

 

いかかでしたか?

xの項を無理矢理作るという操作は必要ですが、これができれば覚えるべき公式が一つ減りますよね。

いやいやx^2-y^2=(x+y)(x-y)の公式なんて覚えなきゃダメだろ

と言われるかもしれませんが、よく分からない公式を無理矢理覚えるよりは、地に足がついた思考で問題が解けた方がいいと思います。

そして、そうやって地に足がついた思考を繰り返していくうちに新たな公式が定着してくるのではないでしょうか。

 

以上です。ご一読ありがとうございました。