久々の数学回です。
私は中学校で数学の教員をしているのですが、中1の教科書を読んでいつも引っかかるところがあります。
「自然数のうち、1と自分自身以外に約数を持たない数を素数という。ただし、1は除く。」
分かりにくい!!
しかも、「ただし、1は除く」ってなんやねん。
例外が生まれるような定義の仕方だと子どもたちも迷うやん。
スッキリもしないし…
まぁ、こんな風に初学者からしたら分かりづらい定義や説明になるのは仕方がない。
教科書では用語を厳密に定義しなければならない上に、それまで習ってきた用語は完全に理解できているという前提で作られている。
誤解を生むような表現の仕方は教科書でするべきではないですからね。
しかし!
私はある程度の誤解が生まれても、みんなが分かりやすい表現をしていきたい!
ということで、こんなのはどうでしょうか。
「これ以上掛け算で分解できない数を素数と考える」
(あえて、文末を「素数とする」ではなく「素数と考える」にしました。定義ではなく解釈の仕方の一つというニュアンスを出したいからです)
この説明のツッコミどころはある。
・分解ってなんやねん。
・数ってなんやねん。分数でもいいんか。
とかあるけど、案外そんなことを気にしているのは数学の先生だけなのかも。
「分解とは何か」なんて因数分解の様子を魅せればイメージつくだろうし、「分数でもいいんか」っていう疑問を持てる時点でその子はきっと大丈夫(笑)
さて、「これ以上掛け算で分解できない数を素数と考える」という説明を推したい理由を紹介したい。
理由は
と思っているから。
人類で一番最初に素数という概念が生まれたときのことを想像する。
24を掛け算で分解するとどうなるんだろう??
6×4や8×3か。
それぞれもっと細かく分解するとどうなるんやろう??
2×3×2×2と2×2×2×3か。
これ以上は分解できないな。
1×2×3×2×2って無理矢理1を入れることもできるけど、これは分解している感がない。
あ、そうなると24をできるだけ細かく分解すると絶対に2が3つと3が1つに分かれるんだな。
あ、どんな数でも掛け算でできるだけ細かく分解すると分解のされ方は1通りなんだな。
言い方を変えると
全ての数はこれ以上分解できない数の組み合わせでできているんだな。
つまり
これ以上分解できない数は全ての数の素(もと)になっているんだな。
よし、この数を素数と呼ぼう!
素数ってこんな感じで素因数分解ありきで生まれたと思うんです。
じゃあ
「これ以上掛け算で分解できない数を素数と考える」
と説明するのが自然だと思う。
しかもこれなら「ただし、1を除く」なんてつける必要もなくなるんじゃないか。
だって数を分解するときに1を入れちゃったらいくらでも分解できることになっちゃいますからね。
僕の主張は以上!
なんか意見や感想があったら教えてほしいです。
教えるときにその意見を取り入れていきたいので。