みなさんこんばんは。
私は中学校で数学を教えているのですが、最近生徒を授業にのせることができなくて、気まずい思いをしています。
生徒からよく聞こえてくるのは
「数学なんて将来絶対使わんやん!」
です。
これについて思うことをつらつらと書いていきます。
まず、「将来数学を使わない」という意見はまっとうだと思います。
実際、今の大人で中学校で習ったことを直接的に使っている人はほとんどいないでしょう。
教員になったり、研究者になるなら別ですけど、そんな人はかなり少数派のはずです。
ただ、数学を使わなくてはならない場面がないだけで、
使った方がいい場面ならいくらでもあります。
データの活用なんてまさにそう。
データの分析が得意な人が仕事場で重宝されるのは言うまでもない。
そりゃあデータの分析が絶対に必要になる場面は少ないでしょうけど、データの分析をした方がよりよい選択ができる場面ならいくらでもあると思います。
でも、上のようなことを伝えると、こういう意見があります。
「電卓やパソコンを使えばいいやん」
これも一理あるなって思います。
データの分析ソフトなんていくらでもある時代ですからね。
二次方程式の解法なんて覚えなくても、関数電卓を使えば一発で答えは分かります。
実際に僕も二次方程式を解くのにわざわざ手書きでやろうとは思いません。
でも、もし「その電卓がどのように計算をしているのか」が忘れられて電卓だけこの世に残ってしまったら、恐ろしいし、寂しいなって思います。
知識がなくなって電卓だけ残ってしまったら、もし電卓がなくなったときに、二度と再現ができなくなります。
それに、その計算方法を考えること自体に楽しみがあり、その計算方法は先人たちが血と汗を流して後世につないできた知識というロマンでもあるのに、それが無くなってしまうのは寂しい。
要するに、将来数学を使わないとしても
数学の知識や文化を後世に受け継いでいこうぜ
っていうことです。
そういう意味で、国が数学を学ばせることを定めているのは僕は嬉しく思っています。
ただ、これに対して生徒に
「別にその受け継ぎ役を俺たち全員にする必要はなくない?数学が得意な人がそれをすればよくて、苦手な人までそれをする必要はないんじゃないか?」
と言われたらその通りだとも思っています。
ぶっちゃけ生徒が数学を学ばなきゃいけない理由って
国が決めているから
だと私は思っています。
なぜ数学を学ぶように国が決めているかといったら国の都合だと思います。
もし、数学を学ばせず、数学という強力なツールを扱える人が日本からいなくなったら、国が困るから数学を子どもたちに学ばせているんだと思います。
そりゃあ数学を学ぶことは子どもたちのためにはなるでしょうけど、1人1人に注目したらもっとその子が学ぶべきことはたくさんあります。
数学が苦手な人が必死に数学を学ぶべきだとも思っていません。
ただ、最後に言いたいです。
どうせ数学をやらなきゃなんないんだったら、前向きにやりませんか?
何事もイヤイヤやるより、楽しい面に目を向けた方が辛くないやん。
以上です。
ご一読ありがとうございました。